Google Chromeβがすごい。
中々衝撃的なデビューでした。
HTMLのレンダリング速度やJavascriptの実行速度も、体感でとんでもなく速い!
表示もwebkit(Safariのコアでもある、出自はLinuxのKHTML)がベースのお陰か、とても正確。
Acid2テストもカンペキ。Acid3は、元になったwebkitをコアに使うSafariと似たエラー傾向です。
日本語の行間が詰まりすぎで気になる所もありますが、CSSで対処できそうな範囲。
Web屋としちゃ、V8というオープンソースのJavascript仮想マシンが、速さは体験したけど、互換性はどうなの?とか、まだまだ信用し
ていない所はあるけれど、Googleのネームバリューや、そのしっかりした作りである程度のシェアを奪うのは必至だと思います。好むと好まざるとに関わら
ず、早々に動作確認の対象にしなくてはなりません。
AdobeはAIRでデスクトップ乗っ取り、Coldfusionでサーバテクノロジを、Spryで Webアプリ制覇を狙ってる様子だし、Flashの一番大きな弱点、「検索に引っかからない」も、APIを整理して各検索エンジン屋さんに渡したと聞きますし、あげくに Photoshopも超簡易版とは言えWebアプリにしてしまうし、公式文書は言わずもがなPDF以外はもうペンペン草も残ってない状態ですし、ストリーミングビデオはデファクトスタンダードに近いFLVに、近々DRMを乗っけて磐石な立場を築こうとしている気配です。
また、GoogleもYoutubeを握り、サイドバーでデスクトップを侵食し、元から評判の高かったAjaxアプリGmail、Googleマップに加え、次々とWebアプリ企業を買い取り、オフィス関連もWebで、ついには「でもOSネイティブのアプリに比べると速度がやっぱね~」という声には、Google gearsと併せ、Ajaxアプリ実行環境としてのChromeで見事に答えを出した感じがします。Ajaxを使った"アプリケーション"があるのなら、その実行環境である、Webブラウザと呼ばれる"OS"の高速化は必須条件。それを他社を待ってないで自身でやりとげてしまうGoogleは、やっぱり機動力があるな、と感じます。
Macもまた売れ出しているそうですしそれに併せジリジリとではあるけれど、Safariもユーザを広げている事でしょう。そして巨人、MicrosoftもIE8では標準互換モードをデフォルトにするとか。Acidテストにも相当の自信を持っている様子。また、Windows LiveファミリーもWebとの連携を深め、必死に既存ユーザを逃すまいとしています。この4つ巴の争いは、傍観者で居る限り中々面白いのではないでしょうか。
大昔からWebを握る者こそがOSを握る者、とは言われてましたが、どうやらそれもようやく現実的になって来た様子です。
どう棲み分けるのか、どっかが一人勝ちなのか、いちWeb屋さんとしては、今から年末~年始辺りが一番おもしろくて大変な時期かもしれません。
これからどんどん、AjaxやFlashを使ったWebリッチクライアントが出てきますが、Web屋たって一人じゃやれることも知れています。両の手のひらに乗っかる分しか持てません。何を捨てて何を拾うか…難しいところです。
Webデザイナーのまかくがお送り致しました~。